●注意障害について

2020年04月21日

1.はじめに

  脳卒中や頭部外傷後に、『注意障害』という障害により、日常生活に支障をきたすことがあります。あまり聞きなれないとは思いますが、このような障害を抱えて生活している方は少なくありません。そこで、皆様にも『注意障害』というものを知っていただくために、ご紹介したいと思います。

1.はじめに

  脳卒中や頭部外傷後に、『注意障害』という障害により、日常生活に支障をきたすことがあります。あまり聞きなれないとは思いますが、このような障害を抱えて生活している方は少なくありません。そこで、皆様にも『注意障害』というものを知っていただくために、ご紹介したいと思います。

2.『注意障害』とは

  脳卒中や頭部外傷の後遺症の一種で、注意力や集中力が低下するために、続けられる力や物事を見つける力、いくつかのことに注意を向けたりすることがうまくいかなくなることを言います。

3.「注意」の4つの機能

 ①続けられる力(注意の持続)

  注意がそれずに目的を持った行動を行うこと

 ②見つけられる力(選択的注意)

  いろいろな刺激の中から、他の刺激に振り回されないで一つの刺激を選択できること

 ③同時に物事を行う力(同時処理)

  1度に2つ以上の刺激に対して、同時に注意を向けて行動を行うこと

 ④変えられる力(注意の転換)

  1つの行動から別の行動へ注意が転換できること

4.『注意障害』の主な症状

 ①全体的にボーっとした感じになり、表情が乏しくなったり、全ての面で反応が遅くなる。

 ②別の刺激(まわりの声や音)に注意が向いてしまうために、本来注意を向けるべき対象に集中して取り組むことが難しくなる。

 ③②とは逆に、まわりの状況に気がつかないために、別の行動にうまく移れなくなる。

 ④そのときの状況に応じた注意の変換がうまくできないために、同じような行動を繰り返したり、同じことを何度も言ったりする。

5.『注意障害』の方に対して…

 『注意障害』の方は自分の注意力が低下している自覚がありません。

 そのために、本人には…

  ①自分の注意力が落ちていることに気づいていただく

  ②日常生活の中で簡単なミスが多いことに気づいてい

      ただくことが重要です。

 まわりの方々には…

  ①口頭で伝えるだけではなく、メモを渡す。

  ②集中できる環境を整える

   ・静かな環境にしてあげる(テレビを消すなど)

   ・物は必要なものだけ用意する  などがあります。

6.終わりに

『注意障害』は個人によって症状が様々です。そのため、周りの方々の接し方の工夫や適切な環境の調整はとても大事なことです。また、ミスがあったときには、「なんで出来ないの?」などではなく、「もう一度やってみよう」など相手の気持ちを考えながら一言声をかけてあげましょう。このことが、本人の「注意しなくては」「確認が必要」という意識や自覚を高めることにつながります。

  ぜひ、ご参考にしてみてください。