2020年04月21日
1.はじめに
更衣とは、私たちが生活を営むうえで様々な環境から身体を保護したり、自分らしさを表現するための日常生活動作の一つです。ですが、脳血管障害や加齢等により一人で着替えをすることが難しくなることがあります。原因の一つとして、障害をもつ以前の習慣で行ってしまうことが考えられますが、着替える手順や着替えやすい衣類を選ぶことにより、スムーズに着替えることが出来ます。そこで、今回は座りながら行う片麻痺患者様の基本的な更衣手順方法を紹介したいと思います。
2.更衣の手順
- かぶりタイプの場合
①膝の上にシャツの背中部分が上にくるように広げる
②麻痺側上肢に袖を通す
③非麻痺側上肢に袖を通す
④襟部分に頭を通す
⑤衣類を整える
- 前開きタイプの場合
①麻痺側上肢に袖を通す
②衣類を後ろからまわして非麻痺側上肢側にもってくる
③非麻痺側上肢に袖を通す
④ボタンやジッパーを閉める
※ボタンやジッパーの操作が片手で難しい場合は、マジックテープタイプの衣類を利用
することで容易になります。
- ズボンの場合
①麻痺側下肢が上にくるように足を組む
②麻痺側下肢にズボンを通す
③通した後は麻痺側下肢を床に下ろし、次に非麻痺側下肢にズボンを通す
※②、③では、なるべくズボンを引き上げます
④立ち上がり、ズボンを引き上げる
○安定して立ち上がることが難しい場合
ベッドに仰向けになり、腰を上げズボンを引き上げます。
※基本的に脱衣(上着、ズボン)時は、これらの逆に行います。
以上簡単ではありますが、片麻痺患者様の基本的な更衣手順となります。介助する場合も、同様の手順を参考にしていただくことで、より簡単に行うことが出来ると思います