2020年04月21日
第3章 口腔ケアについて
●口腔ケアの重要性
口には、①話す、②食べる、③呼吸する、の3つの役割があります。また、体の内部(呼吸器系、消化器系など)につながる起点ともなっています。口の中が汚れていると、歯や歯茎の問題だけではなく、肺炎や消化器などの内科的な病気にかかったり、口の機能自体が低下する原因となります。すると、話すこと・食べること・息をすることにも影響がでてきてしまい、生き生きとした生活を送れなくなることもあります。そのために、口の中を不衛生にしておかないように注意することが大切です。
経管や胃ろうでの栄養摂取の場合も例外ではありません。口から全く食事を摂っていなかったとしても、口の中は細菌が繁殖しやすい場所ですし、痰がらみが多い方ですと痰で口の中が汚れてしまいます。口腔ケアは口から食事を摂っているかどうかに関わらず、行うようにしましょう。
※経管:鼻から管を入れ、胃に直接栄養を送る
※胃ろう:手術を行い、腹から胃に直接栄養を送る どちらも口から栄養はとらない方法
●口腔ケアの効果
・虫歯、歯周病などの予防
・誤嚥性肺炎の予防
・口臭の予防
・唾液分泌を促進
・味覚の改善
・口腔機能の維持や向上 など
●口腔ケアの方法
歯ブラシには形や硬さなどさまざまな種類があり、口腔内の状態に合わせて使い分けます。ここでは、一般的な歯ブラシでの磨き方を紹介します。
①歯ブラシはなるべく毛先の部分が小さいものを使う
②歯ブラシの毛先を歯にきちんとあてる
③歯ブラシを細かく動かす
④強い力で磨かない
⑤歯と歯の間、歯と歯茎の間などは汚れがたまりやすく、且つ汚れが残りやすい場所のため、注意して磨く
⑥歯だけではなく、舌の上にも汚れはついていて口臭の原因になるため、歯ブラシで舌の上も磨くようにする
●入れ歯の手入れ
①流水にあてながら入れ歯用歯ブラシで磨く
②寝るときは外して洗浄剤を入れた水に浸しておく
●うがいの注意
飲み込みの障害(嚥下障害)がある方は、上を向いてのがらがらうがいをするとむせや誤嚥の原因となりますので、下を向いてぶくぶくうがいをするようにしましょう。