2020年04月21日
Ⅰはじめに
当院に入院される方に「言葉について困っていることは?」と尋ねると、“ろれつが回らない”というように話すことがあります。話している言葉を聞くと舌が回っていないような話し方をし、不明瞭となり何回も聞き返してしまう、といった経験はありませんでしょうか。このような言葉の症状は「構音障害」と呼ばれます。
後述しますが構音障害には大きく分けて3つの種類があります。その中で、当院で最も関わることの多い運動障害性構音障害についてお話したいと思います。
Ⅰはじめに
当院に入院される方に「言葉について困っていることは?」と尋ねると、“ろれつが回らない”というように話すことがあります。話している言葉を聞くと舌が回っていないような話し方をし、不明瞭となり何回も聞き返してしまう、といった経験はありませんでしょうか。このような言葉の症状は「構音障害」と呼ばれます。
後述しますが構音障害には大きく分けて3つの種類があります。その中で、当院で最も関わることの多い運動障害性構音障害についてお話したいと思います。
Ⅱ構音障害とは
まず、構音障害には3つの種類があります。
①運動障害性構音障害…脳血管障害や脳腫瘍、頭部外傷により口、舌、喉、呼吸といった話すために必
要な部分の筋や神経系に問題が生じ、発話が不明瞭となるもの。
②機能性構音障害…筋肉や神経系の問題はないが口や舌の使い方に問題があるもの。子供の発話によく
みられる。
③器質性構音障害…口、舌等の奇形や舌癌による切除術後等、形自体が変わることによって発話が不明
瞭となるもの。
運動障害性構音障害は、脳血管障害や脳腫瘍、外傷、進行性疾患等によって筋や神経系が障害されることにより起こります。口や舌の動きが制限されることにより音が正しく作れず不明瞭な発音となります。
この運動障害性構音障害は、麻痺の状態や病気の種類によってさらに分類され、言葉の状態も変わります。
Ⅲ会話時のポイント
運動障害性構音障害に対するリハビリはたくさんあります。言葉の症状や疾患によって方法も違いますので、気になるようであれば専門家に相談してみると良いと思います。
ですが、話し方を少し工夫するだけで聞き取りやすくなることがあります。そのポイントとして、①息を吸って ②ゆっくり ③はっきり ④口や舌を大きく動かす ようにして話すことです。今まで通りに話そうとしても口や舌が細かく動かしにくいので、しっかりと息を吸ってから話すと言葉の不明瞭さが減り、聞き取りやすくなります。
ゆっくり話すことに抵抗を感じるかもしれませんが、慣れてくると聞き取りやすくなり楽しく会話することもできると思いますので、一度試してみてください。