2020年04月21日
私たちが普段意識せずに行っている行動は、胎児期からの運動に始まり発達過程を経て運動パターンを獲得し、それらを色々組み合わせて行っています。
『学習は以前の経験によって生じる行動の永続的な変化であり、生物の適応現象とみなされている。学習には成果があり、それを記憶という。記憶とは、後になって学習したことが表されるような状態で、保持されていることである(Squire)。反復によって記憶が生成される、あるいは強化されるとき、学習が起こる。(中略)学習は新たな情報を獲得する過程であり、情報や課題にふれることで学習が起こり、パフォーマンスは改善することがある。学習は、“一定場面における経験が、その後の同一または類似した場面において、固体の行動の可能性に変容をもたらすこと”でもある。』
(中村隆一 他著、基礎運動学第6版 p447)
私達の提供しているリハビリテーションも、障害を呈された患者様にとって今までの環境と全く異なった未経験の環境に適応するためのひとつの学習と捉えることができます。重症度にもよりますが、寝返りや起き上がりから立つ・歩く、話す・身の回りのことをするなど、運動パターンの反復・記憶(獲得)を経て学習(回復)が起こります。